銀行の主力商品をご存知ですか?

前回に引き続き「住宅ローン」についてお話させていただきます。

3年固定、5年固定、10年固定といった一定期間だけ金利を固定するという
特約を付けた住宅ローンのことを『固定金利選択型住宅ローン』と言いますが、
この商品が銀行が最もオススメしてくる住宅ローンです。

家を建てた当時は、僕も住宅ローンに詳しくなかったため、
当たり前のように、すすめられるがままにこの住宅ローンを選んでしまっていたわけなのですが、
(というよりこれしか選択肢がないって思っていました・・・)
なにも知らないまま銀行に住宅ローンの相談に行くと、
僕のように、銀行にすすめられるがままに、
この3つの期間の中から住宅ローンを選ぶことになるでしょうから、銀行にいきなり相談に行こうと思っている方は気を付けていただければと思います。
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おはようございます。

では今回は、この固定金利選択型住宅ローンについてお伝えしていきたいと思います。

まず、この商品は固定という表現が使われていますが、そのベースはあくまで変動金利であるため、
将来的な金利変動リスクをかなり負っており、決して安定的な住宅ローンとは言えません。

変動金利の『激変緩和措置』のような返済金額の上限が特にないため、
もし固定期間終了時に金利が大きくアップしてしまった場合、返済額が大幅にアップしてしまうということだって、
充分あり得るという怖さを持っている商品なんですよね。

さらに、固定期間が終了した際には、
・再度固定金利選択型を選ぶのか?
あるいは
・変動金利を選ぶのか?
を選択することになるのですが、
(他銀行に借り換えしなければ、全期間固定金利への移行は出来ません)
金利の優遇幅が当初よりも少なくなってしまうような仕組みになっているため、
貸出金利を決める基準となる基準金利が、借入当初の金利と変わっていなかったとしても、
残念ながら金利がアップしてしまうという商品なんですよね。

つまり、まとめるとこういうことです。

もし、選んだ固定期間が終了した時に、今と景気が変わっておらず、
基準金利が同じだったとしても、無条件で金利は上がってしまいますし、
もし景気が良くなり基準金利自体が大幅アップしてしまうような緊急事態が発生してしまった場合には、
返済額に上限がないこの商品は、一気に住宅ローンが払えなくなり、
競売に追い込まれることだってあり得るっていうことなんですよね。

ですから、この住宅ローンを選ぼうと思っているならば、
『繰上げ返済』を視野に入れておくことが絶対条件だと思います。

無理のない資金計画を立てることで、コツコツと貯金出来るようにし、
そして効果的に繰上げ返済を行い、元金を徐々にでも減らしていくことが大切です。

こうすることで、固定期間終了後の返済リスクをある程度軽減することが出来ます。

また、コツコツ貯めたお金を繰上げ返済に回さずとも、
もし金利が大幅に上がってしまった場合に備えて置いておくか、
あるいは銀行に預けていてもお金は増えませんから、
保険や外貨といった別の形で運用するのも一つの手かもしれません。
(定期預金だって決して良い利率ではありませんからね)

貯蓄出来る人であれば、このようにリスクヘッジをすることが出来ますが、
もし、あなたが貯蓄出来ないタイプの人なのであれば、この住宅ローンを選択することは、
変動金利を選ぶよりもリスクが高いことになるでしょうから、
決してオススメ出来るような商品ではありません。

ということで、"なんとなく『固定』という名前が付いているから安心かな?"とか、
"銀行の方がすすめてくれるからこれがいいんだろう"とか
"先のことは分からないし、その時が来たらなるようになる!"といった風な
安易な考えだけでこの住宅ローンを選ぶことだけは、
絶対に避けていただければと思います。気を付けてください!!

それでは、、、

オススメの住宅ローンとは?

文字通り、返済期間満了までずっと金利が変わらない商品を『固定金利』と言うのですが、収入の高低に関わらず、自己資金が少なかったり、金銭的な面で不安を抱えている方には、この商品が最もオススメです。
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こんにちは。

固定金利の最大のメリットは、ご存知の通り"ずっと返済金額が変わらない安心感"です。

ですから、変動や固定金利選択型の住宅ローンのように、『返済金額が上がってしまったらどうしよう...』という心配は一切しなくてよくなりますし、金利の見直し時に、一気に返済額がアップして困ったなんてこともなくなります。

おそらく変動や固定金利選択型の金利がアップする頃というのは、子供の受験と重る時期である場合が多いので、このタイミングでの住宅ローンの負荷は、よりいっそう苦しい状況を招きかねないものですからね。

でも固定金利にも、もちろんデメリットは存在します。まずは、"変動に比べて金利が高い"ということです。

金利が高いと返済に占める金利の負担割合が大きくなるので、借入出来る金額がどうしても少なくなってしまいます。

また、逆に借入金額を増やそうとするならば、変動に比べて毎月の返済負担を大きくしなければいけません。

つまり、家づくりを将来に渡って不安なくしたいと思い、固定金利を選ぼうとするならば、予算重視で進めていけば、土地や家に掛けられる予算が減ってしまいますし、土地や家の予算を削らずに進めていけば、毎月の返済負担が上がってしまうというというわけなんですよね。

さらに、それに追い打ちをかけるようにというわけではありませんが、固定金利を選ぼうと思うと、変動や固定金利選択型の住宅ローンに比べると、初期費用として銀行に支払わなければいけない経費が、余分にかかってしまうというデメリットも持っています。

"融資手数料"だったり、フラット35の場合であれば、それに加えて掛かるつなぎ融資の手数料や金利などですね。

ですから、資金計画時には、全体予算の中からそれらの経費も差し引いた中で、土地や家の予算を出さなければいけないわけなので、必然的に土地や家に掛けられる予算が減ってしまうということになります。

ちなみに"融資手数料"の詳しい名目は分かりませんが、変動や固定金利選択型は、金利変動リスクをお客さんが負っているのに対し、固定は金利変動リスクを銀行が負わなければいけないわけですから、そのリスクヘッジのための負担金と捉えていいと思います。

変動、固定金利選択型、固定、この3つの中でどれを選ぶべきなのかは、人によって違ってきますし、どれが正解でどれが不正解というのも、結局は終わってみるまで分からないものです。

でも、これだけは言えます。

住宅ローンを選ぶ時には、この3つのタイプのメリットもデメリットも両方しっかりと理解した上で選ぶことが大切だということです。

そして、あなたの年齢、家族構成、お子様の年齢、収入、お金の使い方、ライフスタイル、将来に対する考え方、価値観、これらも総合的に判断した上で、あなたにとって最良な住宅ローンを選ぶようにしていただければと思います。

それでは、、、